アンジェスのコロナワクチンと展望

アンジェス新型コロナウイルスのワクチン開発の期待が集まり、大暴騰しましたね。

今回は、製薬開発職の端くれとして、開発の可能性を考えてみたいと思います。

 

①治験の成功率。

治験はこのようなフローで進みます。(Buzzreachより)

 

アンジェスは今、非臨床試験(いわゆる動物実験)中ですね。

非臨床試験がうまくいっても、この後、通常三段階の臨床試験が待っています。

PMDA(厚労省所轄、医薬品を承認する機関)は大変公平であり、厳格です。

いくら期待が集まっていても、社運がかかっていても、ダメなものはダメです。

各フェーズで成功し、次のフェーズへ進める確立の目安は、

非臨床試験・・・69%
・フェーズ1・・・63.2%
・フェーズ2・・・30.7%
・フェーズ3・・・58.1%
・PMDAへの医薬品承認申請・・・85.3%

・・・どうでしょう。全部合わせると、約6.4%です。

 

②ワクチンの内容に着目します。

アンジェスが開発中なのは、DNAワクチンです。

これ、例えばよくあるインフルエンザワクチンとは、別格です。

インフルエンザワクチンは・・・

感染性をなくしたインフルエンザウイルスを人に接種して免疫を誘導します。

DNAワクチンとは・・・

病原体を構成する成分の設計図であるDNAをワクチンにしたものです。

筋肉内に投与すると、DNAの指示にしたがって病原体の一部であるタンパク質を合成し、そのタンパク質に対する免疫が作成されるという仕組みです。

ここで重要ポイントですが、おそらく、

ヒト用に、現在市販されているDNAワクチンは、存在しません

(獣医用はあります。また、DNAによる遺伝子治療薬は存在します。)

日本のベンチャー企業が、世界発となるヒト用DNAワクチンを開発できるのか。

できれば、本当に夢がある話だと思っています。

 

③おまけとして、ベンチャー企業における一般的な利益の上げ方も。

 創薬系のバイオベンチャー企業が利益をあげる方法は、

開発がある程度成功した段階(前臨床でも臨床でも)で大手製薬企業に売り飛ばし、

その時点での報酬や、成功した際のロイヤリティを得るというものです。

今回、アンジェスはすでに治験を行う委託企業と契約を行っているようですね。

臨床試験が終わったあと、臨床試験を自社である程度進めるつもりのようです。

 

ワクチン開発が成功するかは、アンジェス社員にだってわかりません。

きっと、神様にだってわかりません。

開発に成功したといえるのは、phaseIIIの試験まで全て完了し、

PMDAに認められ、販売の承認がおりた、その時です。

 

ただし投資家として成功するには、ワクチンの上市を待つ必要はありませんね!

アンジェスドリームによる皆さまの爆益を祈っております。

 

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